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これは、森有正の『木々は光を浴びて』という随筆の中で、その当時まだ若かったフランス人女性の語った言葉である。この『木々は光を浴びて』という文章は、1970年(昭和45年)11月号の「展望」に発表された。著者は同年の7月上旬に空路東京に帰着し八月上旬、北海道の客舎にて病いを得た。その時の感想が中心をなしている。このように、森有正全集第5巻(筑摩書房1979年刊)解題にある。今、タイトルに書いた言葉の前後を下に書き写しておこう。実は、3度目くらいである。全集第5巻65、66頁。
この間、あるフランスの若い女性が尋ねて来た。大学内ゴルフ場内のレストランへ案内して話をした。緑に囲まれた食堂では、何人かの人々が静かに食事をしていた。生粋のパリ育ちのこの数年間を日本で過ごしたのである。私たちはよも山の話をしていたが、やがて話は日本における生活、ことに東京の生活のことになった。どういう話のきっかけだったか忘れたが、というのはその時かの女が言ったことばに衝撃を受けて、何の話の中でそうなったのかよく記憶していない。かの女は急に頭をあげて、殆ど一人言のように言った。「第三発目の原子爆弾はまた日本の上へ落ちると思います。とっさのことで私はすぐには何も答えなかったが、しばらくしても私はその言葉を否定することが出来なかった。それは私自身第三発目が日本へ落ちるだろうと信じていたからではない。ただ私は、このうら若い外人のの女性が、何百、何千の外人が日本で暮らしていて感じていて口に出さないでいることを、口に出してしまったのだ、ということが余りにもはっきり分かったからである。かの女は政治的関心はなく、読書も趣味も友人も、ごく当たり前の娘さんである。まして人種的偏見など皆無である。感じたままを衝動的に口にしただけなのである。 胸をかきむしりたくなるようなことがこの日本で起り、そして進行しているのである。 かの女がそう言ったあと、私は放心したように、大学構内の木々が日の光を浴びて輝くのを眺めていた。 私が、この文章を読んだ時から、39年がたった。しかし、私は、この文章のことを忘れたことはなかった。この文章は、最初、大江健三郎が『同時代としての戦後』で、引用しているのを読んだのが始めだった。1976年11月15日に、講談社文庫の一冊として出版されている。私は、これを1977年10月29日に購入している。読み終わったのが、1977年11月14日。この文庫の206頁に上に引用した森有正の文章があった。私が洗礼を受ける一か月ほど前に、読み終えたのである。それ以後、この言葉を忘れたことはない。森有正のものを読み始めたのは、この文章との出会いが決定的だった。私は、森有正の全集だけでなく、日本語で出されたものほとんど全てを読んでいる。中には数回よんだものもある。森有正は、ある時期、私の人生の導師だった。この人は初代文部大臣の森有礼の孫であり、父は森明という有名な牧師だった。森有正はキリスト者だった。 最近、わたしは上に引用した文章をしばしば思い出している。最初、読んだ時より、はるかに現実味を帯びてきているように思われる。特に、北朝鮮のミサイルや核実験のニュースを見、安倍首相の極めて硬直した「圧力一辺倒」の姿勢を見るにつけ、日本が一歩一歩、原子爆弾を招き寄せているように思われるのである。安倍首相に代表されるような日本人の悪質さを思わされるのである。だから、わたしが一刻も早く、安倍首相にやめてもらいたいと思う、一番、心の底にあるのは、ひょっとしたら、この言葉のせいかもしれないのである。 何も、安倍晋三氏一人が悪いわけではない。ただこのような人を5年も首相の地位に置いて来た日本人全体に問題があるのではないか、と思わされるのである。それは、「日本人の生き方」の問題である。もう40年も前に、そのことは口に出されて言われていた。 私が、繰り返し、安倍首相のことをこのブログで取り上げ、安倍首相を批判してきたのは、そのせいである。 なんとか、この選挙で、安倍首相を退陣に追い込みたい。 もちろん、それで、問題解決とはいかないであろう。安倍首相がいなかった40年前でも、ある若いフランス女性に「第三発目の原爆はままた日本の上に落ちると思います。」と言わせる何かが日本にあり、それは進んでいたし、40年たって、誰も目にも見えるほどに明らかになってきたのではなかろうか。日本は病気なのである。それが「死に至る病」にならないように祈っている。 人気ブログランキング にほんブログ村
by kokakusouhachi
| 2017-10-11 13:37
| 随筆
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