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ヴォルムスの国会でのルターについて、松田智雄氏が「ルターの生涯と思想」30頁、31頁で書かれていること。これは、中央公論社「世界の名著18巻 ルター」の中の論文。
1521年4月17日の夕方、彼は国会の議場である司教邸に出頭したとき、この議場には、神聖ローマ皇帝として旧世界および新世界の二つにまたがる広大な領土をもち、ついに中世皇帝の最後の伝統から離れられずに、時代の大きな転換の中で古い立場しか守られなかったカール五世が、ありとあらゆる力を代表して正面の玉座を占めていた。そのまわりには、高貴な選帝侯たち、大司教などを始めとして、要するに全ドイツの権威と権力と富とを代表する者が参集していた。その前に立たされたのは、顔色もわるく、心労と過労に痩せた一人のアウグウスティヌス派学者僧にほかならなかったルターである。 審問は開かれた。皇帝に代わって、一人の審問官が彼に語りかけた。教皇特使アレアンダーの報告によると、それはこういうふうに進められている。 「彼(審問官)はルターに対し、次のように語りかけた。 『まず第一に、汝はこれらの書物を著わしたのであるかー私(アレアンダー)は、皇帝の命令によって、二五冊か、あるいはそれ以上のルターの書物をそこへ届けておいたのでー、汝の名前を掲げているこれらの書物を。次に、第二に、これらの書物を擁護し、その内容を守りつづけるつもりであるか。』 こうして、書物の標題が、次から次へと読み上げられた。 これに対して、ルターはまず第一の問いに答えた。彼は、あらゆる書物は自分のものであることを認め、またマルティン・ルターの名前によって通ってはいるが、そのいくつかは他の著者のものだ、というようなことは、多くの人々がよく知っているように一つの虚言であることも認めた。第二の審問に対しては、信仰に関するもので、およそもっともむずかしい問題に属するから考慮期間を乞わなければならない、と述べた」 そこでこの日は審問は打ち切られ、翌4月18日は、午後4時に審問が再開された。ルターはおちついて審問官の前に立った。 「審問官は『汝が承認した書物を、汝はいぜんとして擁護するつもりであるか、あるいは何ほどかは取り消すつもりであるか』とルターに問うた。 これに対して、博士マルティン・ルターもラテン語およびドイツ語で答え、しかも極度にうやうやしく、また丁寧に述べた。彼は決して荒々しく叫ばず、礼儀正しく、きちんとしており、また控え目であった。しかも、なかなかのキリスト者豪胆さと確固たる態度をもって語った」 最後に至って、彼は明白に結論を述べた。 このことは、彼の思想と生涯の中でも、もっとも重要な場面であるので、ここに重ねて彼の言葉に記しておきたい。 「皇帝陛下、選帝侯、諸候閣下は、明白、単純、率直な答弁を要求されるので、私も、歯にきぬ着せずに申しあげます。すなわち、私が、聖書の根拠、または公然たる、そして明快で明確な根拠や理由によって説得され、承服させられないかぎり、教会や教会会議などがいずれもしばしば誤りを犯し、かつ相互に矛盾することは明らかであって、私はそれらのみを信ずることはできませんから、私は先にみずから引用し、あげておいた聖書の言葉を確信しつづけます。私の良心は神の言に捕えられています。良心に逆らって行動することは、確実でもなく正しくもありませんから、私は何ごとも取り消すことはできませんし、また欲しもしません」 これは明白な拒否の言葉であった。そして最後に、あまりにも有名な言葉で、ルターは答弁を結んだ。 「ここに、私は立つ。私はこのほか何ごともできません。神よ、われを救けよ」 私は、この瞬間は、西欧社会にとって、歴史が新しくなる瞬間だったと理解している。もはや、教皇の精神的支配が及ばぬ領域が西欧に出現したのである。 ルターが「ここ」といったところは、「信仰によってのみ義とされる」というところであり、 「聖書のみ」というところであり、「全信徒祭司」というところであり、「恵みによってのみ」というところである。それらは重層的に重なり合って「ここ」をかたちづくっている。 人気ブログランキング にほんブログ村
by kokakusouhachi
| 2017-09-03 20:23
| 随筆
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