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「このことについて、僕は言ったことないですよ。
子供が五歳になり、夜中にふっと起きて子供の顔を見ると、あの夜明けの子供の顔にダブってくるんです。小さい頃は感じなかったんです。同じ年頃になってからです。眼がキョロッとして、私の顔をじーっと見てるんです。そっくりなんですね、寝顔が。これはもう、しばらく悩みました。子供が大きくなってから、感じなくなりました」 語って彼は眼を閉じた。目蓋に、そしい脳裏に、あの子と息子の幼い日の顔が重なって揺れていたのであろう。 私も黙っていた。庭に張り出した応接室は外からの光を失い、余韻の明りで小島さんの大きな頭を映していた。彼の妻が二度、三度ともてなしてくれたお茶はだいぶ前になくなり、私たちの間には空になった湯飲みがあった。彼が「このことについて、僕は言ったことがないですよ」と言葉を漏らしたとき、家族の気配を気遣っているかのようだった。 ここまで読んでくださった方に注意していただきたいことがある。著者の野田さんは、通常小島隆男さんのことを「小島さん」と書いていて、フルネームの「小島隆男さん」とは書いていない。しかし、(上)のところで、著者の野田正彰さんは、「小島隆男さん」と書いているところが二箇所だけある。たぶん意識してではないだろうが、著者は極めて厳粛な思いで、「小島隆男さん」と書いていると思われる。その二箇所では野田さんは、「小島さん」と書くだけでは足りないと感じていたに違いない。 人気ブログランキングへ にほんブログ村
by kokakusouhachi
| 2016-12-09 22:48
| 随筆
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